オラは西門通称『白道門』の番人・児丹坊。
今、オラの肩には小さな女の子がいる。
この子の名前は。オラの友達だ。
オラたづはさっきからずっと瀞霊廷のほうを眺めている。
その理由は…。
「あー!いたー!」
が先に探し物を発見しだみだいだ。
だけど、オラはどこにあるのか分からない。
「どごだ?」
「あそこ!こっちに向かってまっすぐ歩いてるよ!」
は一生懸命オラに教えようどしでくれでるけど、オラは先にを地面に下ろしだ。
んで、にっこり笑っで、に言う。
「オラんどごさ連れできでくれ。そのほうが早い」
「分かった!すぐ連れてくるね!」
そう言っでは元気に走り出しだ。
オラは笑いながらそんなを見つめでいだ。
今日はシロ兄が家に帰ってくる日。
おばあちゃんに「シロ兄を迎えに行ってくるね」って言って家を出た私は、児丹坊さんにお願いして肩に乗らせてもらった。
瀞霊廷の中を見渡しながら、シロ兄のことを探していた。
そして、シロ兄の姿を見つけた私は一生懸命走った。
「シロ兄!」
シロ兄の目の前までやってきて、飛び込むようにシロ兄に抱きついた。
抱きつかれてシロ兄はすごく驚いていたけど、すぐに私のことをぎゅっと抱きしめてくれる。
懐かしいシロ兄の匂い。私の大好きな匂い。
「お帰りなさい!」
「ただいま。」
私が笑ってそう言うと、シロ兄は優しく微笑んでくれた。
久しぶりのシロ兄は少し大きくなった気がした。
でも、優しいところは全然変わってなくて、私はすごく嬉しかった。
私とシロ兄が再会を喜んでいると、
「えーっと。感動の再会はその辺で終わりにしてもらってもいいかな?」
突然の声に私はびっくりした。
少し名残惜しかったけど、シロ兄に抱きつくのをやめて、周りを見回す。
ようやく私はシロ兄のすぐ近くに男の人が立っていることに気づいた。
その人は私に優しく微笑み、挨拶する。
「はじめまして。俺は草冠宗次郎。君の名前は?」
「…………」
名前を聞かれたけど、私は何も言えなくて、シロ兄の制服を掴んだ。
シロ兄は私の頭を優しく撫でた後、その人に話した。
「この子は。俺の家族だ。ちょっと人見知りが激しいんだ」
「そっか。よろしくね。ちゃん」
「……………」
草冠さんはそう言って私に微笑んだ。
優しい笑顔。少しシロ兄に似てるって思った。
まだ話すことはできないけど、その代わりに私はぺこっと頭を下げる。
『こちらこそ、よろしくお願いします』って気持ちをこめたんだけど、草冠さんに伝わったかどうかは分からなかった。
続