その日の業務が無事に終わり、日番谷はようやく一息つくことができた。
だが、すぐに自分の部屋に戻ろうとはしない。
疲労がかなり溜まっていて、心身ともにクタクタだった。
原因は連日の斬魄刀解放とそれに伴うストレスだった。
「お疲れさまー」
そう言っては日番谷の前にお茶を置いた。
日番谷は手に取り冷えた麦茶を飲むが、その眉間には皺が刻まれたままだった。
「かなり疲れてるね?」
「……誰のせいだと思ってんだよ」
「私のせいかな、やっぱり」
「それ以外ねえだろうが」
今回の騒動の原因は全てだった。
総隊長にお願いして日番谷の斬魄刀・氷輪丸の解放を許してもらったのだ。
は日番谷の手を握り、小さく微笑んだ。
「ごめんね、冬獅郎」
今は業務時間外。それは下の名前で呼ぶことを許された時間。
もう十番隊第三席として十番隊隊長に話しかけているのではない。
今はとして日番谷冬獅郎に話しかけている。
「でもね、すごく楽しかったよ。みんなに会って話ができてすごく嬉しかった」
護廷十三隊全ての隊にいたことがある。
他隊の隊士が毎日のように十番隊隊舎にやってきてはと話をしていく。
にとって、それはとても幸せな時間だった。
「…………」
「…もしかして、妬いてる?」
「……うるせえ」
「大丈夫だよ。私の心も体も全部冬獅郎のものだから」
「」
「なぁに?」
「好きだぜ」
「私も大好き」
初めて会った瞬間をは今でも覚えている。
日番谷と出会ったときほど、強く願い、強く誓ったことはない。
彼のために生きたい、と。
彼とともに生きよう、と。
『日番谷冬獅郎』はにとって、とても大きな存在になった。
それは絶対に変わらない。今までも、これからも、ずっと。
終