四番隊・綜合救護詰所。
静かになった詰所の縁側には、大の字になって休んでいるの姿がある。
やわらかい日差しを全身で浴びてとても心地よく、そのまま眠ってしまいたくなるほどだった。
「ふわぁー。気持ちいいー」
「ちゃん、どうぞ」
そこへ勇音が四番隊特製のお茶を淹れて持ってきた。
がそれを飲んで身体を癒していると、優しい霊圧が近付いてきた。
「あらあら。珍しいお客様ですね」
「卯ノ花隊長」
「いつものように呼んで構いません。今は休憩中ですし」
「では。烈さん、お久しぶりです」
卯ノ花は優しい笑顔を浮かべての隣に座る。
勇音は卯ノ花のお茶を用意するために席を外した。
とても静かな時間が流れていく。
「今日はありがとうございました」
「どういたしまして。これで十一番隊の馬鹿者共もしばらくは大人しくしてると思います」
「貴女がいれば一番良いのですが…」
「申し訳ありませんが、私は十番隊を離れるつもりはありません」
この言葉を言うのは何度目だろう?
口にするたびに、そう思い返すたびに、は自分の心が痛むのを感じた。
四番隊に所属していたとき、卯ノ花からたくさんのことを教わり、たくさんのことを学んだ。
卯ノ花にはすごくお世話になった。この恩は一生忘れないだろうとは思う。
けれど、それでもの気持ちは変わらない。
離れたくない。十番隊から、彼から。
これからも一緒にいたい。ずっと、ずっと、ずっと…。
「またフラれてしまいましたね」
「ごめんなさい。でも、私は…」
「謝る必要はありません。貴女は自分の気持ちに素直であればいいのです」
「烈さん……」
「私も貴女のことをあきらめませんから」
そう言うと、卯ノ花は笑った。
は変わらない笑顔にほっとした。
と卯ノ花。二人でのんびりお茶を飲んでいると。
「これから回診を行なうのですが、お手伝いしていただけますか?」
「構いませんよ。三時までに十番隊隊舎に戻りたいので一時間だけになりますけど」
「分かりました。それではよろしくお願いします」
は「おやつの時間に戻る」と日番谷に言って四番隊にやってきた。
約束の時間までに戻ることができるのならお手伝いしよう。
四番隊に所属していた頃、は卯ノ花とともに回診を行なっていた。
だから何をするかは分かっているし、きっとすぐに終わる。
そう思っていただったが、すぐにその考えが甘かったことに気付いた。
卯ノ花がそう簡単に帰してくれるわけがなく、一時間みっちり働いていただった。
終