俺の彼女は可愛い。そりゃあ、一度甘えられたら抱きしめずにはいられないくらいに。

ウサギみてぇに潤んだでっかい目にふわふわの髪。腕も腰も細っこくて、白くて、小さくて。
指先なんてのはまるでガラス細工かなんかみてぇに綺麗で、そしてなにより抱き心地が最高に心地いい。

言っとくがこれは決して自慢なんかじゃねぇ。断じて、絶対に。
まぁ、あえていうなら惚気だ。狙って攻めてもを落とせなかった野郎共への惚気。
てめぇらはせいぜい、指咥えて見てろってんだ。つっーか、見てぇって言われなくても見せ付けてやるけどな。
を落としたのは俺だ。そんでもっては俺に心底惚れてる。そりゃぁベッタリと。ベッタリと!

(とーしろー!!)
(う、おっ!!…と)

戸を開けた瞬間、勢いよく俺に抱きついてきたウサギ…もといを、危うく転びそうになりながらも抱きとめる。
ちっせぇ体をフル活用して俺の腕と胸の間に収まったは、いきなり顔をあげるとそれはそれは嬉しそうに笑った。

(おかえり、冬獅郎!!!)
(お、おう…ただいま)
(ご飯出来てるよ!!それと、お風呂も沸いてる!!)
(ん、ありがとな)

ちゅっ。と軽く、の額に音を立ててキスを落として体を離した。
唇が押し当てられた場所を擦りながら照れて、ふにゃふにゃと笑っているの手を引き、居間へと歩きだす。

ああ、可愛い。"いつものこと"ながら。
俺が帰ってくるのを待ってたり、勢いよく抱きついてきたり、キス一つでも嬉しそうに笑ったり。
まるで仔犬みてぇだな。いや、さっきウサギって言ったけど。なら仔犬でもいける。

(あ、ねぇ。冬獅郎)
(うん?)
(えっと、最初にご飯にする?それともお風呂?あと……―――わたし?)
(はぁ!!?…っ痛ぇ!!!)
(うわぁ!!冬獅郎!!?)

驚きすぎて思わず柱に頭をぶつけてしまった。一体全体なにを言い出すんだコイツは!!
つっーか誰に吹き込まれた!!?松本か!?松本なのか!?いや、あいつしかいねぇな。
はこんなこと自分で狙って言うような奴じゃねぇ。たぶん(わたし)の意味もわかっちゃいねぇ。
そもそもいつも俺から誘ってるし…ってそんな事考えてる場合じゃねぇだろ俺!!

―――ん?……待てよ……。もしやこれってチャンス?
そういやぁ、最近ご無沙汰だったしな………。ってやっべぇぞ、おい……。
考え出したら(イヤラシイ想像が)止まらねぇ。ああ、ダメだ。抑えきれねぇよ。
まぁ、そんなら仕方ない。男ってのは欲情に従順なもんだろ?

(…そうだな…にする)
(うん?)
(だから、にする)
(なにが?)
(最優先事項、だろ?)
(へ…、え、え、え?)
(ってことでイタダキマス!)
(ぇえええええ!!!??)

ざまぁーみろ野郎共。羨ましかったら俺からを奪ってみやがれ。
まぁ、お前らにはさらさら無理だろうがな。俺は何億光年先でもを手放す気はねぇし。

所詮、アレだ。





ってやつ?