(…っふ…ん)
(はっ……)

何度も何度も角度を変えて交わされる終わりのないキス。きっと甘すぎるこのキスにもうすぐの躯は崩れるだろう。
そしたら俺も理性を捨てて朝まで君を離さない、離せない。じわじわとココロとカラダを犯す、熱い快感。
爪先から、頭の奥までが広がる。満たされる。ああ、愛しい。その他にどんな言葉で表せるというのだろう。

()
(あっ…とうし、…冬獅郎…!)

細腕が背中にまわって抱き寄せられる。冬獅郎と頻りに俺の名を呼び、求める唇に吸い付いた。甘い甘いの味に眩暈がした。
汗ばんで額に張り付いた髪を掻き上げて不埒な色で染まった瞳を覗き込む。乱れても美しい女。それがという女だ。

(綺麗だ、)

感嘆と零れた溜息にの口元が弧を描く。白く長い指がゆっくりと俺の頬を滑って、無意識に勃ち上がる俺のモノ。
肌に付いた赤い内出血の痕より赤い舌でペロリと俺の唇を舐めては妖美な声で囁く。

(ねぇ、冬獅郎の手でもっとわたしを綺麗にして)

今宵の月は消えかかった三日月。いつもなら白く浮き上がる躯体も闇に沈んでひっそりと息を潜めている。
けれどそれはそれで色めかしくてそそるものがあると胸の飾りを舐め上げれば、嬌声を零しての躯がついに崩れた

(は、ぁあん…!!)

美しい声で啼き、零れ出したの蜜を味わいながら明日の仕事をどうしようかと頭の片隅で思う。
けれど思考回路はすでに情事に意識を奪われていて、もう何も考えられない。重なり合う肌と肌の体温だけが妙にリアルだ。

(。今一番欲しいもの、言ってみろ。なんでもくれてやる)

耳元で甘く囁いた。その口説き文句に特に意味はなく、ただなんとなく思いつきで言ってみた。
金でも物でも命でも、俺にあげられるものなら何だって。そう言って頬に口付けたらはさして考える素振りも見せずに笑う。

(冬獅郎のぜんぶ)
(…は?)
(冬獅郎の髪も声も躯も心も、ぜんぶよ)

(ね、ちょうだい?)と黒髪を揺らして可愛らしくねだったに本能のままに自分のモノを一気に突っ込むと激しい律動を繰り返した。
息も途切れ途切れ、腰を高く上げて俺を受け入れるに彼女の為だけの極上の笑みを浮かべて耳元に唇を寄せる



(そんなの、とっくの昔にやってるよ)